くるくる日和

色々なことをくるくると紡いでいきます。

ビジネスにおいて魔法はない。あるのは「足す1」を重ねていくだけの地道で愚直な方法のみ。

最近、とある企業様の部長クラスの方と話をしていて、「う〜む」と思った事があります。

 

話をしている中で、WEBやECを使えば「簡単に」、「すぐに」、「お金をかけずに」売上を拡大できる、と考えていらっしゃる事がわかったからです。

 

様々な企業の経営者や部長、店長クラスの方とお話をしていると3割から4割ぐらいの方が、そういった方のように感じます。

 

僕が過去にフランチャイズのスーパーバイザーをしていた時にも、ECのコンサル営業をしていた時にも、その割合は変わらないと思います。

 

上層部の人ほど魔法を信じているんですね。
ひどい時には「今ならAIがなんでもやってくれるんでしょ?」と言う方もいらっしゃいます。
何もしなくてもAIが利益を生んでくれると思ってるんですね。
AIと言ってもただのツールの一つで、メンテナンスしなければ無用の長物です。そしてメンテナンスをするのは結局は人です。
決して魔法ではありません。

 

現場の人はそんな魔法なんてない事も分かっているので、「足す1」を積み重ねていく事が重要だと知っています。
そう、現場の人ほど今日の「足す1」が、明日の「足す1」が、三年後、五年後の「100」に繋がることを感覚的に分かっているような気がします。

 

けれど上からの要求は常に魔法みたいな改善策を提示すること。
「来月『100』となる施策を、来週までに出しなさい」と言ったような。

 

そこから無理が生じて様々な弊害が生まれていきます。
下記は実際に見てきた例です。

 

・雑貨屋なのに慣れないアパレルに手を出した→不稼働在庫がとんでもないことになってしまった

・楽天に出店しているショップで、思い切って楽天の広告を出した→在庫が追いつかずに空売りをしてしまいキャンセルせざるを得なくなり、それでショップレビューが一気に低くなった。

・Amazonに出店しているショップで、ただ取引口座があるというだけで、在庫を仕入れてもないそのメーカーの商品を全部載せた→注文に対して供給が追いつかずにアカウント停止になってしまった。

 

そんな企業で働いている人は大抵、上層部の判断をバカバカしいと思い、嫌気がさして離職へと繋がっていきます。
それって全部、上から「簡単に」、「すぐに」売上を上げる方法を求められた結果なんですね。
そんなやり方だと、結局、マイナスにしか結びつかない。

 

だから、僕はスーパーバイザーをしている時にも、コンサル営業をしている時にも口を酸っぱくするぐらいに「魔法なんてありません」と言い続けてきました。

 

そしてもう一つ、上層部と現場で乖離がしていることがあります。
それはランチェスター戦略で言うナンバーワンの法則を上層部は取りたがるんですね。

広告で大々的に宣伝をする。
フルラインの品揃えをする。
全方位的に客層を取り込もうとする。
などなど。

いや、実際にナンバーワンであればそれで良いのですが、大概はナンバーワンを追いかける立場。

ちなみに、ランチェスター戦略についてはこちら。

www.kurukurubiyori.com

 

追いかける側は、局地戦や接近戦と言った戦い方を、地道に粛々と愚直に行なっていくしかないんです。
でも、そういった提案を会議でしても、上層部には「もっと目新しい提案を持ってこい」と言われるだけ。

 

局地戦や接近戦というのは、営業さんであれば地道に通ったり、じっくりと信頼関係を築いていく戦略なんですね。
ECであればこまめな価格設定の変更や、商品情報、商品画像などの追加•メンテナンスをひたすらやる事。そして丁寧な顧客対応を粛々と行うこと、なんです。

 

そう、当たり前のことをまずは当たり前にしなければならないのに、上層部は当たり前のことを魅力的に思わないんですね。

 

なぜかと言うと「当たり前」だから。

 

お客様がいらっしゃったら、笑顔で「いらっしゃいませ」を言いましょう。
これは当たり前ですよね?
でも、その当たり前のことが出来ているコンビニをあなたは知っていますか?

 

知りませんよね?

 

でも、間違いなく、コンビニチェーンの店長会議なんかで、ウチのお店はまず笑顔で「いらっしゃいませ」を言えるようにします、なんてことを言うと、恐らく怒られるか呆れられますよね。
「そんなの『当たり前だろ』」と。

 

当たり前のことは、出来て当たり前で、改めてエネルギーを注ぐ事ではないと考えてるんですね。
でも、実際はそこにエネルギーを注ぎ、当たり前のことが当たり前に出来る状態にしなければならない。
新たな施策を行なっていくのはその後です。
そう、ベースがしっかりしていないと、その上で何を構築しようがグラグラするだけなんです。

 

何か新たな施策を行なう前に、まずは、当たり前リストの作成をオススメします。
どれだけ簡単でバカバカしい事であってもそのリストには記載した方が良いです。
そして、それが出来ていない企業というのは、その程度のレベルということになりますから。

 

まずは、自分たちの現在地、レベルを知ることから始めるのが実は一番の近道なんです。

 

皆さんの会社は当たり前のことが当たり前に出来ていますか?

 

ではでは、また。