くるくる日和

色々なことをくるくると紡いでいきます。

首都消失。

「首都消失」と聞いて心が跳ねる世代は1970年代以前の生まれではないかと思います。

そして、「首都消失」を知っている方は、小松左京さんの原作よりも、映画の方が記憶に残っているのではないでしょうか?

 

主演は渡瀬恒彦、共演は名取裕子。共演は山下真司や、石野陽子。今の人からしたら、まぁ、本当に一昔前(と言うか一世代前?)の映画です。

 

ちなみに監督は舛田利雄。

特撮は「ゴジラ」や、「日本沈没」の中野昭慶。

 

えぇ、ザ•東宝映画です。

 

しかも、サントラはなんとモーリス•ジャール。

えぇ、「アラビアのロレンス」です。

 

ストーリーとしては、東京が突如、得体の知れない雲に覆われて、一切の連絡が取れなくなる。そればかりか、その雲の中には入れない。

中の人とは連絡が取れず、生きているのかどうかも分からない。

首都機能を失った日本はてんやわんやとなり、そこにアメリカの思惑も絡んできて、当時のソ連海軍も北海道近海にやってくる、と言うお話。

映画公開時はまだ小学生だったのですが、この映画が観たくて観たくてしょうがなかったんですね。

 

怪獣バトルではなく、シミュレーション的な本格SFと言うのが新鮮だったように思います。

東京が赤い雲に覆われて稲妻が走り、上部に「TOKYO BLACKOUT」と書かれたポスターにもワクワクしたものです。

バチバチと火花のような雷の中、雲の上を飛行機が飛んでいくCMもよく覚えています。

 

しかしながらですね、ウチはビンボーだったこともあり、映画館で観ることは叶いませんでした。

 

あまりにもショゲてしまった僕に親はゲームブック版の「首都消失」を買ってくれました(懐かしいなぁ。ゲームブック。当時、めちゃくちゃ流行ってましたよね。久しぶりにやりたいなぁ)。

映画を観れなかった悔しさをぶつけ、何十回クリアしたか覚えていません。

 

でもですね、一年ぐらい経った後だと思うのですが、ようやく観ることが出来ました。

 

当時、近所にレンタルビデオ屋さんができまして、そこで借りて友達と観たわけです。

当時はまだ一本700円とかした気がします。

今じゃanazonプライムや、ネットフリックスで見放題なのに•••。

 

正直、映画の内容はもう覚えてはいません(笑)。

小学生のときに観た映画って大体そうですよね?

ジャッキー•チェンの映画や、1984年版の「ゴジラ」はやたら覚えていますが•••。

まぁ、面白かった、とは思うのですが•••。

 

ともかくですね、映画を観たことで満足し、「首都消失」熱は冷めていきました。

 

ただ、この「首都消失」という設定というか、モチーフというか、概念というか、そういったものは、その頃に心に刻み込まれたように思います。

当たり前と思っていたことが、ある時にバンッと覆ってしまうことがあるのだと。

 

それは、トラウマというよりももっと達観した感じなんだと思います。
まるで、ゲームのルールを知らされたみたいに。

「理不尽な現実が突然襲うこともありますが、あらかじめご了承下さい」。

 

そして、そういった事が実際に起こるたびに僕は「首都消失」を思い出しました。

 

例えば、阪神淡路大震災。

例えば、地下鉄サリン事件。

例えば、NY世界貿易センターへのテロ。

そして、東日本大震災。

 

当たり前な日常が理不尽に奪われていく。

そう、それは決して決してヒトゴトではなく、あの首都を覆っていた雲は、いつだって自分の上にも覆いかぶさってくる可能性があるのだと。

 

でもですね、そんな風に僕の人生に深く根付いた「首都消失」ですが、実は原作を読んだことがなかったんですね。

 

映画の内容も覚えていない。原作も読んでいない。

•••それってあまりにも、ニワカ感が漂いますよね。

と言うわけで、先日、ようやくAmazonで購入して、読みました。

 

えぇ、これで、もう、ニワカではありません。

 

小説は、ハードなSFで読み応えがあり、いま読んでも古臭さはまったく感じませんでした。

 

ガジェットについては少し古くはありますが(何しろFAXが最先端!!)、その時代を知っていると違和感なく物語に引き込まれると思います。

そして、設定だけ借りて、今の時代に置き換えても、まったく問題なく物語は成立すると思います。

むしろ、情報伝達が早くなっている今の方が、スリリングかつ、日常との落差が大きい展開になるのかも知れません。

何しろ情報のほとんどが今はスマホからですからね。

 

例えば、原作の中では、出版物のほとんどが首都圏で作られていることにより、情報が枯渇していく様を描いていました。

でも、今の時代だとスマホが使えなくなり、ネットニュースが見れなくなり、ラインで連絡が取れはくなり、と言った描写となるのでしょう。

 

なんか、いまの時代に合わせた内容にすると結構面白い映画になりそうですね。

 

うーむ、この企画を東宝に売り込もうかなぁ。

 

ではでは、また。